「夜の黒豹」は昭和35年11月舞台の、金田一シリーズではかなり後期に該当する作品です。センシティブ要素もりもりの屍体なので実写化されたことがなく、知名度がそこまで高く有りません。時系列は病院坂、悪霊島の前になります。
いわゆる「都会編」の長編事件は、実写化された作品は全体の半数ぐらいです。やっぱり猟奇、耽美が引っかかるんだろうなと思いますね。この夜の黒豹は発表した短編「青蜥蜴」を翌年長編化して改題した作品。


「夜の黒豹」のあらすじ
金田一耕助は等々力警部とともに、異様な事件現場に急行した。連れ込み宿のベッドに女が縛り付けられて縊死している。その胸部には殴りがきのトカゲの絵が残され、部屋はなぜか水浸し。さらに事件の直前、近くのホテルでは、未遂に終わった同様の事件をベルボーイが目撃していた。だが、警察に事情を話した直後、彼は何者かに轢き逃げされてしまい……。愛と欲にまみれた連続殺人事件の真相に金田一が挑む、名作本格ミステリ。
登場人物 | 作中の役割 |
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金田一耕助 | 私立探偵。 |
等々力警部 | 都会編の相棒刑事 |
山田三吉 | 渋谷「ホテル女王」のベルボーイ。最初の事件の目撃者で二人目の被害者。 |
葉山チカ子 | ホテル女王で殺されかけた娼婦。胸に青蜥蜴の絵が描かれていた。中条奈々子の一人二役。 |
水町京子 | 高輪「ホテル竜宮」で殺された娼婦。最初の被害者 |
星島由紀 | 向島「みやこ島」で殺された女子高生。三人目の被害者 |
尾崎くに子 | 三吉の彼女。金田一の助手もどきになる |
山田孝哉 | 三吉の従兄弟。三吉と背格好がよく似ている |
佐々木裕介 | 由紀の義父。聖ニコライ病院の内科医 |
星島麻耶子 | 由紀の母親。一年前に事故で死んでいる。有名な女流画家。チーム・芙蓉会に入っている |
星島重吾 | 由紀の父親。星島商事のトップ。遺産を残して亡くなっている。 |
岡戸圭吉 | 由紀の従兄弟(重吾の妹の子)。竜平の二人目の妻の子。漫画家「丘朱之助」として売り出し中。四人目の被害者 |
中条奈々子 | 有名な女流画家で麻耶子の友人。芙蓉会に入っている。由紀の同性愛人 |
岡戸竜平 | 圭吉の父親。 |
岡戸操 | 圭吉の継母。3人目の後妻 |
岡戸竜太郎 | 圭吉の兄。最初の妻の子。 |
岡戸珠実 | 竜太郎の妻。妊娠中。 |
きっかけはホテル女王に葉山チカ子と名乗る女性が泊まったこと。彼女は部屋で連れの男性を待っています。それから暫く経過して連れの男性が訪れ、部屋に向かいます。ベルボーイの山田三吉が廊下にいると、とある部屋から水の音が聞こえ、何かおかしいと部屋に入ります。そこには裸で首を絞められている葉山チカ子の姿が。チカ子の息はあり殺人未遂。彼女の胸元には青いペンで書かれたトカゲ、青蜥蜴がありました。連れの男性がサディスティックな趣味を持っている、恥ずかしいからと三吉はチカ子からチップを握らされて部屋から追い出されます。トランクケースにあった衣類で拭いたのかなと三吉は思いました。
第一の事件

それから時が経過して、今度は芝(高輪)のホテルで、同様の事件が発生。今度は未遂ではなく殺しでした。被害者は水島京子という有楽町の街娼。ホテル女王の時と同じように水が流れる音共に裸にされて青蜥蜴を胸に書かれていました。死因は絞殺です。彼女と一緒に黒豹のような黒いスーツを着た人間がいたので警察はその男を追うことにしました。ただフロントは、一緒に来た人間を帳簿に記載していませんでした。そしてその人間が表から出た姿を見ていないとも話します。非常はしごがあるため、そちらから逃げたのではないとも。
警察が男を捜査するなか、ホテルの路地裏でおでん屋を経営する老人にかち合います。おでんを食べつつ話を聞けば、路地裏から出てくる男を見たといいます。黒いサングラスに黒のオーバーオール。出てきた時間は九時より前の時間。時計が壊れていて時間もあやふやですが、それでも老人は九時より前だと話しました。
水島京子と同じ街娼グループに聞き込みしたところ、彼女は人が良く喧嘩もほぼなかったと話します。ただ街娼の一人が、京子が黒豹の男に買われた際に「ずいぶん変わった人もいるのね、ああいう人って変態っていうのかしら」「でも近頃は稼ぎも少ないから四の五の言ってられない」と呟いたのを聞いていました。
水島京子殺しが夕刊に載った後、ホテル女王の支配人がベルボーイの山田三吉を連れて警察にやってきました。最初の未遂事件が全く同じ手口のため、話しに来たのです。内容は水島京子殺しと同じ、水浸しの部屋に裸の女(葉山チカ子)がいてマジックインキで青蜥蜴のマークが書かれていたものですが、チカ子は生きていて男を庇うようにお金を渡し握らせますが三吉は受け取りませんでした。一緒にいた男の身なりが水島京子殺しの男と全く同じ身なりだったため、三吉は警察に話しに来ました。また非常階段に泥があったため、男は非常階段から逃げたのだろうと三吉は言います。男の顔は覚えていないが、チカ子のほうは顔を覚えているのでもう一度見ればわかると三吉は話して支配人と一緒に警察を去ります。その際に金田一はその青蜥蜴が水島京子殺し同様左を向いていた事を確認します。
この二つの事件は切り裂きジャックに類似したものと言われ大きなセンセーショナルを巻き起こします。生きていた葉山チカ子の出現を呼びかける新聞もあるなか、警察も八方手を尽くして彼女の足取りを追っていました。そんななか水島京子をタクシーで送った運転手が名乗り出ます。彼は水島京子が西銀座から芝高輪台まで送って欲しいと言われて送ったが、その時彼女は一人だったと証言します。降りる場所も時間も指定されていたよう。その指定された位置から現場のホテルまでは大体5分程度でした。男を捜してみても見つからず、12月にさしかかった後事件は発生します。
第二の事件

12月に入ったとき、新聞のある箇所が金田一を釘付けにします。それは大事な証言をした山田三吉が車に轢かれて意識不明の重体になっていました。警察はその車を目下捜索中とのことです。コレを見て金田一は、山田三吉が犯人にとって重要な存在――――――犯人の顔を知る葉山チカ子を見た唯一の存在に気付きます。担ぎ込まれた病院には警察や新聞記者以外にも三吉の友人達がいました。家族も駆けつけている最中で、三吉はかなり重篤で、瀬戸際にいるとのことです。その時のろのろとしたもそっとした声で電話がかかっており三吉の様子をしきりに聞いていたようで、刑事が出ていました。そして病院に三吉の彼女の尾崎くに子がやってきました。くに子に事情を聞けば殆ど同じようなことだが、水浸しの掃除はチカ子側がやる、あの場所にスーツケースがあったというのをくに子に話していました。そして数日後の12月5日、医師の治療の甲斐なく、三吉は死んでしまいます。大声をあげてくに子は泣きました。その後ものろのろとしたもそっとした声の相手から電話があり、刑事は三吉が死んだことを伝えました。
告別式では三吉の家族が参列していますが、その中で一人の男性が金田一の目を引きます。山田孝哉という青年は、三吉の従兄弟ですが、姿格好がよく似ています。しかしよくよく見れば違うことに気がつきます。彼は高崎で洋裁のミシンを踏んでいる様子。
第三の事件
話が動いたのは三週間後の12月23日。今度の三人目の事件は日本家屋の旅館みやこ鳥で発生。そこで殺されていたのは娼婦ではなく女子高生の星島由紀でした。裸の彼女の胸にはマジックインキの青蜥蜴が描かれています。情交は最後まで致しておらず、由紀が興奮している節があります。由紀が泊まっていくと交渉したものの、相手の男がいつ来たのか女中はわからなかったそうです。食事も持って行ったとき、いたのは由紀のみで相手はトイレに行っていると答えています。なお宿帳は変名のため場所もでたらめだと言えます。由紀の身元引き受け人の義理の父親がやってきています。彼は佐々木裕介という医師で、由紀は死んだ妻の連れ子でした。

佐々木に確認してもらい、死体は星島由紀で自分の義娘であると彼は話します。妻の麻耶子は去年事故で亡くなっていました。金田一は絵画を見ているため、麻耶子が有名な女流画家だと伝えます。彼女は芙蓉会という画家のグループに所属していて、遺作展もそのグループが面倒を見てくれたと佐々木が言います。麻耶子は佐々木と結婚する前からペンネームとして「星島麻耶子」を名乗っており、戸籍上では「佐々木麻耶子」です。由紀は麻耶子の先夫・星島重吾の一人娘のため佐々木家に入籍するわけには行かなかったと佐々木は言います。
由紀は奔放で家出をする半グレの娘で、麻耶子の頭痛の種でした。そして彼女の初めての相手は、由紀の従兄・岡戸圭吉でした。彼は由紀の父親、重吾の妹の息子でした。圭吉は女性的な男性で、麻耶子に憧れていたと佐々木が話しました。そんな由紀と圭吉は10歳も年が離れていますが、二人で駆け落ちをしたくらいです。宿でも由紀は16歳とさばを読んでいたほど。圭吉と喧嘩して飛び出してきた由紀の話を聞けば、セックスの絶頂で圭吉がおばさまと何度も叫んでしまい、それが麻耶子だと気付いたためです。母娘で話し合って以来、麻耶子と由紀の関係は修復不可能になりました(麻耶子と圭吉の間には何も無い)。また由紀は父親の重吾から多額の遺産を相続しており、それを麻耶子が管理し、麻耶子が死んだ後は父親の佐々木が管理していました。圭吉は「丘朱之助」というペンネームの漫画家で、由紀と別れてから描き始めています。
佐々木は芙蓉会の一人、中条奈々子と再婚の予定です。由紀は奈々子になついており、中条のおばさまとパパが結婚すれば良いと話していたほどです。由紀の父親の星島重吾は星島商事の創業者で、遺産はあれど身内は妹のみ、妻の麻耶子も身内はほぼいません。唯一の身内の妹も亡くなっているため、遺産は娘の由紀か妹の子供の圭吉に行くわけです。なお圭吉の父親は岡戸竜平といいキャバレーを運営している人でした。
少女愛好趣味の漫画家
警察は今をときめく青蜥蜴が岡戸圭吉(丘朱之助)では無いかと踏んでいます。そのため刑事に彼の漫画が載っている週刊雑誌を買いに行かせました。水島京子の胸にあった青蜥蜴と、星島由紀の胸にあった青蜥蜴が見事に一致したため、同一犯の可能性が浮上したからです。圭吉の漫画を見れば暴力的な内容のなかに年上の女性賛美主義と、のぞき趣味、少女愛好趣味、サディズムが垣間見えました。
警察が別れてそれぞれ対応している最中、金田一は佐々木の再婚を考えている相手で由紀もなついていたとされる中条奈々子に会いに行くことにしました。

12月24日、新井刑事は丘朱之助の所に向かいました。アパートのうち、彼が住んでいる部屋の側には非常はしごがありその隣が寂れた神社のため、出入りがしやすいです。ブザーを鳴らしても返事がなく、断続的に押している横で隣部屋の女性が顔を出しました。新井刑事は刑事だと名乗らずに雑誌の編集者だと言えば、女性は隣の部屋が薄気味悪いと言います。誰かがいるのは確実だが反応が無い、身動きがとれないのではないかとはなします。何故そう思うのかの質問に返さず、新井刑事は警察手帳を見せれば女性は信頼して聞こえた理由を話します。部屋は壁に耳を当ててトントントンと音を叩けば音が返ってきます。新井刑事も同じようにやれば隣の丘朱之助の部屋から反応があるのです。そして丘朱之助の部屋には入れ替わり立ち替わり少女達が遊びに来ていて中には泊まっていく少女もいました。由紀の写真を見せれば、女性は知っているようで丘朱之助の部屋に泊まっていくのを見たと言います。
新井刑事の命令で管理人から鍵を取り、丘朱之助の部屋に入れば、ベッドに拘束されて轡をされた裸の12~13歳ぐらいの少女がいました。両手足にはもがき苦しんだ痕が残っており、ベッドから解放されれば芋虫のようにのたうち回り、怪我をしてそのまま失神してしまいました。新井刑事は怒りをあらわにします。奈々子は留守で、金田一達は連絡を受け、丘朱之助の部屋に入ります。中には医者が少女に鎮痛剤を打っていました。意識が戻らない少女ですが「行っても良い、後は尾けない、待ってる、だから縛らないでどこにも行かないでお兄ちゃん」と哀願しているようにも思えます。彼女も由紀のような状態で致されてはいるものの男の精液は見当たらなかったようです。金田一達は少女の言葉から察してお兄ちゃんは丘朱之助で、出かけようとした際に少女が後をつけようとするのでベッドに縛った、すぐに帰ってくるつもりだったという事情を把握します。
アパートの隣のガレージの男が言うには、管理人も丘朱之助(=岡戸圭吉)を追い出したいのですが、彼の父親が暴力団の組長であり、圭吉は後妻の息子のため報復を恐れて追い出せないとのことです。岡戸の父親には一番目の息子と二番目の息子(これが圭吉)がいて、いまは三番目の女性が妻に収まっています。三番目の妻と圭吉は折り合いが悪く、また兄とも仲が良くないため、家から飛び出した形でアパートに住ました。圭吉宛に電話がかかっているのも聞いており、電話の相手は最近の名前の女性で、彼女を圭吉は「お姉さん」と呼んでいたそうです。ただならぬ仲だと感じました。内容から察するに、23日に丘朱之助は少女と遊んでいたときに女性から電話がかかってきて急いで出て行くことになり、少女を縛って出て行った。すぐに戻るつもりだったが戻ってきていない。24日に新井刑事が発見するまで少女はそのままだった。そしてだれが丘朱之助を呼び出したのか、これが今回の鍵になると金田一は考えます。
部屋を見るなかで丘朱之助(=岡戸圭吉)の家族写真が見つかります。時期から察するにこの写真を撮った直後に由紀との駆け落ち事件が発生した様子。中央に父親の竜平、三番目の妻の操(年がかなり離れている)、兄の竜太郎、兄嫁の珠実、圭吉、由紀がいます。等々力警部は珠実が圭吉の憧れに近い女性ではないかと踏みます。ペンネームの丘朱之助の朱を珠実から取ったのではないかと勘ぐってしまうほどに。
それから新聞に由紀の事件が報道されて多くの反響を呼びます。丘朱之助のことは一切書かれていませんでしたが、勘のいい人なら察するほど突き合わせができていました。しかし丘朱之助の行方はいずれとして不明です。
金田一は会えなかった奈々子と会うことが出来ました。奈々子は聡明な美女で、佐々木との婚約はまだ正式では無いけどそういう感じはあると暗に仄めかします。前の旦那のとき妊娠しますが流産し、二度と子供が産めない身体だと話します。由紀の話をした上で、彼女は早熟で父親似だから美女の母親に反発している。そして奈々子が彼女をモデルに描いたら想像以上の美人だったので懐いてきたと言います。圭吉も数度会ったことがあり、麻耶子に憧れていたとも話しました。
岡戸家

12月25日になっても丘朱之助の行方は見つかりませんでした。新聞は今回の少女の話や水島京子殺しなどが青蜥蜴の仕業だと書き立て、それが丘朱之助ではないかと匂わすところもでていきています。捜査本部では警察が丘朱之助の部屋で起きたこと、少女の自供などを報告しています。世間で見られる青蜥蜴の格好と、飛び出していった丘朱之助(岡戸圭吉)の格好は全然違います。丘朱之助の部屋の中に隠し扉があり、中から「わが愛の記録」という日記が見つかります。これは性愛日記で毎日のように少女を手で致していた丘朱之助の事が描かれています。そしてこの日記から見るに、毎週金曜日は行っておらず、また金曜日は水島京子殺しや三吉を轢いた曜日と合致しています。
由紀には三人の彼氏がいて、その彼氏三人が言うには由紀には秘密の愛人がいるということでした。その愛人の存在を由紀はひた隠しにしていますが、旅館の手続きなどはその愛人から教えてもらったようだと言います。三人の彼氏は丘朱之助(岡戸圭吉)と由紀の駆け落ちは全く知らなかったため、きっとその愛人が丘朱之助ではないかと刑事の一人は考えました。刑事が言うには、丘朱之助は由紀の財産目当てで彼女を殺害するのが目的で、それまでの水島京子殺しや葉山チカ子は予行練習だったんじゃないかと持論を言いました。そして予行練習による殺害の刑事の持論を金田一は支持します。
麻耶子は佐々木と結婚するときに池袋にあった先夫星島重吾の家を処分して成城に新しく家を建てます。その名義は麻耶子のものになっていますが、麻耶子が死んだ後佐々木の名義になっている模様。300坪もあり、1坪十万円もする場所のため、かなりの金額になっている様子。そして佐々木は23日以降のアリバイは完璧で、ずっと病院にいたそうです。
星島商事の資産金1億円のうち半分を麻耶子と由紀が持っており、よくよく計算すれば億近くの遺産が麻耶子や由紀の所に転がり込んできました。
岡戸家の話になれば、実は暴力団はすっかり解散していました。暴力団をやらなくても堅気の商売で暮らしていけるほど成功していたからです。竜平も竜太郎も話してみれば道理が解る人でした。竜太郎の妻の珠実はお産。そして珠実が結婚した年と丘朱之助として漫画を書き始めた時期がずれているため、珠実が圭吉の「お姉さん」ではないとわかります。奈々子の個展をみて、帰ったとき金田一の家に岡戸竜平から電話が入ります。

岡戸竜平や操の話に寄れば、圭吉はあのような漫画を描くが人を殺すような人間じゃ無いと言います。操は表面に現れた事実や誤った偏見を持たずに本当の圭吉を見てほしいとも。そして竜平は圭吉に不利な証拠が出ているが圭吉は三人も人を殺す人間じゃ無い、彼の無実を調べてほしいと私立探偵として雇いたいと話しました。竜太郎は八年前の事件で関係があり、年賀状を出し合う仲でした。岡戸家は最近の圭吉の様子は殆ど知らず、女の子陵辱事件も薄々感じていたがあそこまで強くやっているとは思ってもみなかったと竜平は言いました。
操の話に寄れば、圭吉と密かに会っていたのは操です。二人の間になにもやましいことはありませんでした。そして圭吉は操のことが好きで、母と子として清算できず、恋情を抱いたまま、二人が会っていることは竜平も認識してのことでした。月に2度会うぐらい。このような事を竜平が認めたのは、圭吉の女の子陵辱事件を辞めさせようとしたためでした。そして水島京子殺しのとき、操と圭吉は会っていたためアリバイがきっぱりと成立しました。金曜日に会っていたのは、操の稽古日でその日を利用して密会していました。真犯人はその会う理由を知っていて、事件の犯人を圭吉に責任転嫁しようとした人間だと金田一は推測します。
麻耶子が死んだ後も操は由紀を引き取るつもりでしたが、佐々木に遺産のことを匂わされて二の句が継げない状態になり、立ち消えになってしまいました。圭吉が死んだ場合、由紀の遺産はどこにいくのか。それを聞いたとき、既に圭吉が死んでいると思った竜太郎は憤慨します。警察も目下圭吉を探しています。それとはべつに竜太郎も自分の組織を持っているはずだから、彼らを集めて圭吉の行方を捜してほしいと金田一は依頼しました。

はたして犯人は丘朱之助(岡戸圭吉)なのか!

犯人わかんない
\ 購入できるよ /
「夜の黒豹」のネタバレ
「夜の黒豹」の犯人
水島京子・山田三吉・星島由紀・岡部圭吉(丘朱之助)を殺したのは佐々木裕介と中条奈々子(葉山チカ子)です。なおこの二人は奈々子の夫・中条辰馬と、裕介の妻・星島麻耶子も事故に見せかけて殺害しています。
中条奈々子を現行犯逮捕するため、金田一は圭吉の兄竜太郎と一緒に刑事も連れて罠を張ります。罠に引っかかった際に竜太郎は弟を殺し罪をなすりつけた中条奈々子の首を掴んで本気で殺そうとしたらしく、刑事がその指を引き剥がされるまで首を掴んでいました。なお囮になった山田三吉は背格好がそっくりの山田孝哉で、奈々子はその違いに最後まで気がつきませんでした。
圭吉は、由紀が死んだ直後、遊んでいたところに電話を受けて家を飛び出した後、奈々子と佐々木によって殺されています。「お姉さん」になりすまして電話をかけ、佐々木に関係がバレて病院に監禁されている。助けに来てほしいと呼び出されて殺害されました。圭吉を殺したのは佐々木ですが、彼は溺死になっています。
「夜の黒豹」の犯人の動機
星島由紀(と星島麻耶子)が相続した星島重吾の遺産目当てです。由紀が死ぬと唯一の身内で相続人である岡部圭吉(重吾の妹の子ども)にわたるため、遺産が渡らないようにカレも殺害しました。山田三吉は顔を見られたことによる口封じ、水島京子はこの事件を猟奇的なものに見せるために殺されました。佐々木も奈々子は刑事に対して遺産に興味なさげな対応をしていましたが、実際はその逆です。
由紀がひた隠しにしていた「ひみつの愛人」は中条奈々子です。由紀を預かっている間、佐々木が麻耶子を殺害した手紙を由紀が見てしまい、彼女から手紙を奪い取るために同性愛の誘惑にたらし込んだのです。
葉山チカ子といた男の正体
葉山チカ子も彼女の相手の男も、中条奈々子の一人芝居です。水島京子の中にあったO型の男の精液は佐々木のモノでした。
水島京子を買うときに男の格好をしますが、彼女に女だと見破られていました。ですが最近は売り上げもさっぱりのため、相手を同性愛者だと思い「変態もいるのね」「四の五の言ってられない」と呟いたのです。
まとめ

話がわかりにくいねん。あと牧野警部補は一度金田一に謝るべき。ちゃんと全部話は進んでいるんですが、犯人がわかるのが残り30Pぐらいでした。難しい。これも実写で見てみたいですね。話がわかりやすそうに見える。




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